Q.肩こりって何ですか?
A.肩こりとは病名ではなく症状です。
首から肩、背中にかけて筋肉が緊張しだるさや重さ、疲労感や痛みなどの症状が生じることを指します。
肩こりに関連して頭痛や吐き気、手の痺れや冷え、不眠、食欲低下、抑うつなどの症状も併発することがありますので安易に捉えず早めに対策した方が良いでしょう。
Q.肩こりの原因とは?
A.肩こりの原因は姿勢不良、長時間の同じ姿勢、筋肉の使い過ぎ、運動不足、精神的なストレス、身体の冷えなどが挙げられます。
これらの何らかの原因で肩の筋肉が緊張すると血管が圧迫され血流が悪くなり疲労物質が溜まり痛みやこりなどの不快感が生じます。
これを放置していると更に筋肉が緊張し、こりを強くするという悪循環に陥り慢性化していきます。
Q.肩こりにストレッチは効果がありますか?
A.症状の緩和という意味では効果はあります。
肩こりの改善には肩周りの筋肉の柔軟性を高める必要があるのでストレッチは効果的と言えるでしょう。
しかしストレッチで根本的に肩こりが改善される訳ではありません。
肩こりでお悩みの方の多くは姿勢不良(猫背)が起因しています。
どれだけストレッチをしても姿勢は改善されません(一時的には改善されます)。
セルフケアで何をすればいいか分からないという方はまずストレッチを行う習慣をつけるのが良いでしょう。
Q.マッサージを受けても数日で元の肩こりに戻るのはなぜ?
A.マッサージをして肩こりが緩和されるのは「オフセット鎮痛」という現象が起きるためです。
オフセット鎮痛とは直前に強い刺激を受けると直後の比較的弱い刺激を一時的に感じなくなる現象です。
またマッサージをすることで筋肉が一時的に緩み血流が良くなることで疲労物質などの滞りも緩和されるためマッサージを行った直後は楽になる感覚が得られます。
あくまで対象療法なので肩こりが生じる原因に対して施術しないことには根本的な改善には繋がりません。
Q.慢性的な肩こりです。何か病気になっている可能性はありますか?
A.肩こり自体は病気ではなく症状ですが病気の症状として肩こりが発症することはあります。
代表的なのは頚部脊柱管狭窄症です。
頚部脊柱管狭窄症は肩こり以外に手に力が入りづらい、指先の感覚が鈍くなり細かい作業がやりにくい、手の痺れなどの症状が伴います。
これらの症状に当てはまる場合は病院で一度検査することをおすすめします。
他には化膿性脊椎炎です。
肩こり以外に微熱が続いている場合は化膿性脊椎炎の可能性があります。
血液検査で診断出来るためこれも病院の受診をおすすめします。
Q.五十肩ってどんな病気ですか?
A.五十肩の正式名称は「肩関節周囲炎」と言います。
肩の関節には関節包という袋があり、関節包で炎症が起こると痛みが生じ炎症によって関節包が固くなると関節の動きが悪くなり肩が挙がらないといった症状が現れます。
はじめは肩の違和感程度のものが軽く動かすだけで痛みが出たり、痛みで夜中に目が覚めるといった症状で進行していき次第に肩の可動域が著しく低下します。
放っておくと痛みは無くなっても可動域が元に戻らないといった症状が残る場合が多いので適切なタイミングで適切なケアを行うことをおすすめします。
Q.五十肩ってどれくらいで治るの?
A.五十肩は治るまでの過程で「急性期」「拘縮期」「回復期」と段階を踏んでいくので時間がかかることが大前提です。
早い人で数ヶ月、長引く人だと数年かかることもあります。
回復期に入るまでに発症から6ヶ月前後かかるので発症する前と同じような状態まで回復するには1年前後かかるという認識を持っておいた方が良いでしょう。
Q.五十肩の夜間痛で困っています。正しい寝方はありますか?
A.仰向けの状態で肩よりも肘が下がった位置になると肩の前側に負担がかかり炎症が起こっている部分を刺激し痛みが出やすくなります。
肩と肘が同じ高さになるよう肘や肩甲骨の下にタオルやクッションを敷いて調整することで関節部への負担を軽減させることができます。
クッションなどを抱えるようにすることで腕の安定性を高めることができるのでより効果的です。
Q.五十肩以外で肩に痛みが出る疾患って何かありますか?
A.
・肩峰下滑液包炎
肩甲骨の先端にある肩峰と腱板の間にはクッションの役割となる肩峰下滑液包があり、繰り返しの動作で炎症を起こし肩に痛みが生じます。
・腱板損傷、断裂
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱で腱板が構成されます。
外傷やスポーツ、加齢などに起因して腱板が損傷や断裂すると肩が痛み、断裂した筋筋力低下が生じます。
・石灰沈着性腱板炎
リン酸カルシウムが腱板に沈着し炎症を起こすことで発症する疾患です。
原因は不明で急激に肩に強い痛みが生じるのが特徴で多くの場合は関節の可動域が制限されます。
などの疾患が挙げられます。
Q.内臓が原因で肩に痛みが出ることもありますか?
A.
・気胸
肺に穴が空き肺から空気が漏れてしまう病気です。
肩の痛みに加え胸の痛みや息苦しさを感じる場合は気胸を起こしている可能性があります。
最悪の場合、命に関わる病気なので早急に呼吸器内科へ受診するようにしてください。
・胆嚢疾患
胆嚢に脂肪の消化に関わる胆汁が石のように固まってしまう病気を胆石症と言います。
胆石症は肩の痛みに加え右上の腹部に痛みがでます。
特に食後に右上腹部に痛みが出る場合は胆石症の疑いがあるので消化器内科に受診するようにしましょう。
また胆石症と同様の症状に加え発熱を伴う場合は胆嚢炎の疑いがあるのでこちらも消化器内科を受診するようにしてください。
・心筋梗塞
心臓を動かす筋肉が壊死してしまう病気です。
突然の胸の痛みや胸の締め付け感が特徴的な症状で初期症状として肩や腕に痛みが出ることがあります。
死亡率が高い病気のひとつですので心筋梗塞を疑う症状が現れたら循環器内科へ受診しましょう。