坐骨神経痛の改善報告
坐骨神経痛の改善報告
患者様の年代
70代
患者様の性別
女性
ご職業・生活スタイル
高齢者
症状の発生時期・きっかけ
坐骨神経痛は、腰からお尻、脚の後ろ側へと伸びる「坐骨神経」が何らかの理由で圧迫・刺激されることで起こります。代表的な原因としては、椎間板が突出して神経に触れる「椎間板ヘルニア」、加齢による骨の変形や靱帯の肥厚で神経の通り道が狭くなる「脊柱管狭窄症」、そしてお尻の深部にある梨状筋が硬くなることで神経を圧迫する「梨状筋症候群」などがあります。
神経が圧迫されると炎症が起こり、鋭い痛み・しびれ・ビリビリ感・足の力が入りにくいといった症状が現れます。これらがいわゆる“坐骨神経痛”と呼ばれる状態で、日常生活の動作や姿勢によって悪化することも少なくありません。
日常で何ができなくて困っていたか?
坐骨神経痛があると、日常生活のさまざまな動作が不便になります。まず、長時間の立ち仕事や座り続ける姿勢がつらくなり、デスクワークや運転が苦痛になることがあります。また、前かがみや靴下を履くなどの何気ない動作でも鋭い痛みが走りやすく、家事や育児の効率も落ちてしまいます。歩行時に脚へしびれや力の入りにくさが出るため、買い物や階段の昇り降りが負担になることも多いです。さらに、夜間の痛みやしびれで眠りが浅くなり、疲れが取れにくいなど生活全体の質が下がりやすいのも特徴です。日常の「普通の動き」がしんどくなることで、ストレスや不安も増えてしまうことがあります。
どのような施術を行ったか?
鍼治療は、坐骨神経痛による痛みやしびれの緩和にとても有効とされています。鍼を筋肉やツボに刺激として入れることで、硬くなった深部筋(特に梨状筋や腰部の筋肉)が緩み、神経への圧迫が軽減されます。また、血流が改善されるため、神経周囲の炎症が落ち着きやすく、回復力も高まります。さらに、鍼刺激によって痛みを抑えるホルモンが分泌されることで、慢性的な痛みの軽減にも役立ちます。
継続して施術を行うことで、腰やお尻まわりの動きがスムーズになり、立つ・歩く・座るといった日常動作が楽になるケースも多いです。薬に頼りすぎず、体の根本から整えていけるのが鍼治療の大きな魅力です。
施術のポイント・解説
鍼刺激は局所の微小血流を増やし、酸素・栄養の供給と老廃物の除去を促進する。神経周囲の浮腫(むくみ)や炎症性メディエーター(痛みを促す物質)が洗い流されやすくなるため、炎症による神経刺激が軽減することにつながる。
鍼刺激は局所・全身の炎症性サイトカインや化学伝達物質のバランスに影響を及ぼすとされる。具体的にはプロスタグランジンやIL-6などの炎症性物質が低下し、抗炎症性のメディエーターが上がることで、神経周囲の炎症が鎮静化しやすくなる可能性がある。
通院頻度・期間の目安
鍼の通院頻度は、症状の強さや慢性度によって変わりますが、一般的には最初の2〜3週間は週1〜2回が効果を実感しやすいペースです。痛みやしびれが落ち着いてきたら、週1回→隔週→月1回のように徐々に間隔をあけていきます。
最初は筋肉や神経の状態を安定させるために継続した刺激が必要で、改善が進むと「維持・再発予防」のペースに移行するイメージです。無理のない範囲で、体の変化に合わせて調整するのがおすすめです。
施術後の変化・現在の状態
鍼の施術を受けたあとの経過は、症状の重さや原因によって少し違うけれど、一般的には「徐々に変化していく」流れが多いです。施術直後は、腰やお尻まわりが軽くなったり、可動域が広がって動きやすくなることがあります。一方で、深部の筋肉に刺激が入るため、少し重だるさや筋肉痛のような感覚が出る場合もありますが、通常は1〜2日で落ち着きます。
数回続けていくと、痛みやしびれが出る頻度が減り、長時間座る・歩く・前屈などの動作が楽になるケースが多いです。血流や筋バランスが整ってくることで、再発しにくい状態に近づいていくのも鍼のメリットです。継続するほど安定した改善が期待できます。
患者様からの喜びの声
立っているだけでもお尻から足にかけてビリビリ痛みが出ていましたが、鍼治療を続けていくうちに少しずつ痛みの範囲が狭まり、歩くのがかなり楽になりました。特に、朝起きたときのしびれが減ったのが一番うれしいです。最初は鍼に不安もありましたが、施術後のスッキリ感が気持ちよくて、今では通うのが習慣になっています。もっと早く受ければよかったと思うほどです。
担当者からの結び・アドバイス
坐骨神経痛に対する鍼施術では、症状の原因や神経の圧迫部位によって反応が異なるため、無理に強い刺激を入れないことが大切です。施術後に一時的な重だるさや筋肉痛のような感覚が出ることがありますが、多くは1〜2日で治まります。また、強い痛みやしびれが急に悪化した場合、あるいは足に力が入りにくい・歩行が困難になるなどの症状があるときは、早めに医療機関での評価が必要です。施術当日は激しい運動や長時間の入浴を避け、体を休めながら経過を見るようにしてください。




