私は小学校から高校まで、野球に明け暮れる日々を過ごしていました。高校では所属する野球部のOBが学校の近くに整骨院を開業し、普段の練習ではストレッチ指導やトレーニング指導をしていただきました。大会前はケガをしたり疲労が抜けきれなかったりと、不調をきたす選手が多くいました。そんな中OBの先生は大会に同行して、選手の身体のケアやケガのメンテナンスを熱心にしてくださいました。それも道具や器具を使わずに自分の手技のみで取り組んでいる姿に憧れを持ち、この先生のように自分の手技で人の人生を明るくしたり、人のためになる施術家になりたいと強く思い、目指しました。施術家になるために専門学校に通い、外傷や筋肉の構造はもちろん、生理学や一般臨床など細かい分野の勉強もしました。心が折れそうな時には目指したきっかけである先生へ会いに行き、アドバイスやエールをいただきました。両親や先生、同級生にも支えられて、柔道整復師の国家資格を取得しました。国家資格を取得してから仕事に就くまでの間は自己分析し、どのような人間になりたいのかを深く考えてみました。私は自分に関わった全ての人、その周りの人を幸せにできるような施術家になりたいと思っています。患者様一人ひとりと真剣に向き合い、愛を伝え続けます。

新人・修行時代の自分新人時代は他の同年代や同期に負けたくないという気持ちが強く、研修場所に誰よりも早く行き、技術練習をしたり、公休を使って他の店舗の先生や院長に学びに行ったりと、負けん気でがむしゃらに突っ走ってきました。どうしても人と比べることが多かったため、自分に対してマイナスな考えをもつことも少なくはありませんでした。尊敬する先生に相談したところ「違いは違いであって、間違いではない。あなたはあなたのままで素晴らしい」という言葉をかけていただきました。そこから「自分の劣っている所と人の優っている所を比べるのでなく、自分の優っている所を伸ばしていこう」という考えに変わりました。患者様の施術に入らせていただくのは同期の中でも早い方だったと思いますが、初期の緊張と興奮は今でも忘れられません。「患者様の期待線を超えられているのだろうか、満足していただいているのだろうか」と不安に思うこともありました。そんな時、他の先生方から「施術だけでなく接遇面にも力を入れるべき」とアドバイスをいただきました。患者様が「また明日来たい」と思っていただける院や関係性をつくるにはどうしたら良いか、自分が患者様だったら何をされたら嬉しいかを考え、沢山の本を読んだり上司と話し合い続けました。あの時の経験があったからこそ今の自分があるので、それを後輩たちに伝えていきたいと思います。